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春季特別展「湯沢の木喰仏と民芸」※終了しました

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【期間】2019年4月25日(木)~6月4日(火)※終了しました
※木喰仏は5月1日(水)~6月4日(火)に公開しました。

5月6日(月・祝)午後2時より
郷土史研究家・池田亨さん(83)による講演会
「私たちの地域にある木喰仏」を開催します。 ※終了しました
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県内外から12名の参加がありました。静岡市から来た30代の男性は「参加者から意見がたくさん出て面白かった。新しい情報を発見できる場でもあるのかなと興味深かった」と話していました。

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全国各地を行脚し、一木作りの仏像類を千本以上も遺した木喰上人。文化2年(1805年)に湯沢町で刻んだ愛染明王像(個人所有)は、先祖代々の守り本尊として大切にされています。木喰仏を発掘・研究した柳宗悦は「民芸運動」も展開しており、民芸とは民衆的工芸を意味します。湯沢町にもかつて民芸があり、江戸時代から昭和中期頃まで「三俣細工」と呼ばれる膳などの木工品が生産販売されていました。膳類は八木沢で作られており、「八木沢膳」とも呼ばれました。今や貴重な八木沢膳や木鉢、杓子などを展示します。

木喰上人作 愛染明王像
文化2年10月下旬、湯沢に暫く留錫(りゅうしゃく)(行脚中の僧が寺にとどまる)した木喰(五行明満)上人は、昔染め物屋を業としていた「藤八ドン」に投宿して10月18日に地蔵尊、同20日に愛染明王を彫りました。愛染明王は平成2年12月12日、湯沢町の文化財に指定されました。
品質、形状・・・銀杏の一本づくり
寸法・・・たて64cm(台座4.5cm、かめ23cm、像36.5cm)

地域史研究家の池田亨さん(83)は「愛染明王は、全国をいくら探しても、湯沢を含めて2体しか存在しない。大黒様だったら、いくらでもあるのだけれども。染物屋をしていた家に残っているからなのだろう。長い滞在になり、家人に頼まれて彫ったのではないか」と考察する。

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撮影日:平成31年2月26日

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愛染明王像(撮影日:昭和46年12月22日、撮影者:池田亨さん)

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愛染明王像の所有者は、町内在住の60代男性。約30年前まで、築100年以上の茅葺(かやぶき)屋根の家屋に住んでいた。像は囲炉裏(いろり)の煙で燻(いぶ)されて黒くなっている。「そのおかげで虫に食われたりしておらず、保存状態が良い」と男性は話す。(撮影日:昭和50年代)

まぼろしの八木沢膳
膳類・重箱をはじめとする指物大工が作る製品を、店を構え販売したのは八木沢の三軒<中略>関六屋(弥三治)・有馬屋(九八郎)・関祖屋(弥五郎)である。(中略)指物職人がいた家は六軒であった。昭和初期の最盛期には指物師・塗師・木挽など職人衆は、丁稚奉公人を含めて六軒で二十五人ほどいた。<中略>
八木沢膳の歴史は、江戸の中頃から昭和の中頃までとすれば百七十年の永きにわたる盛衰があるが、その詳細についての書き付けもなく、各店からは曾爺さんのころ以後の状況しか聞き出すことができない。そして、再び八木沢膳の製造が始められることも考えられず、今となっては「まぼろしの八木沢膳」である。
(『ふるさとシリーズ1‐三国街道の宿場の村‐湯沢町三俣』抜粋部分の著者:樋口良一)

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「有馬屋」5代目・有馬安治さん(当時91才)と妻の清子さん(撮影日:平成13年。有馬功さん提供)

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安治さんが雪かきをしている「有馬屋」(撮影日:昭和62年。有馬功さん提供)

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